冬の落葉した木にヤドリギだけがボール状の緑色を茂らせています。
なぜか気になるヤドリギ。ネットや花屋さんでは結構な価格ですから、木の高い所で採りにくいのと、都会の自然ではあまり見られないだけに珍しさも手伝ってのことでしょう。
ヤドリギの葉は可愛い形をしています。花が咲くのは2月~3月、そしてプックリした実も可愛い。
シラカバに宿っているヤドリギをアルジに採ってと頼みましたが、高枝ばさみでも届かないよーと言われました。
時期は過ぎましたがクリスマスには、モミの木、ヒイラギ、ポインセチアなどと同じように欧米ではヤドリギもクリスマスには欠かせない植物だそうです。
そしてヤドリギにまつわる欧米の伝説もいろいろ。ちなみに12月24日の誕生花はヤドリギということですが、原産国は日本、中国というのですから、なんだか不思議な存在です。
では、日本にヤドリギにまつわる民話などはないのかな?と調べてみたら、ありました。
「とんぼのやどりぎ」というタイトルの昔話ですが、そこに出てくる木はエノキで、最後までヤドリギは出てきません。
どうしてこのタイトルになったのか・・・エノキがケヤキに宿ったからのようです。
私はヤドリギそのものの話をしているのに、な~んだ、「とんぼのやどりぎ」は宿った木のことを話してる。この違いね。
まんが日本昔ばなし データーベースNo.0978 より引用
とんぼのやどりぎ
<あらすじ>
昔々、埼玉のある所に家来に無理難題ばかりを申し付ける殿様がいた。
家来の顔が怖いから取り替えて来いと言い、それが出来ないと知ると、今度は家来の眉毛を剃り落とし、顔に落書きをするという調子だった。
ある日殿様は、空に浮かぶ雲を取ると言い出し、4人の家来を連れて北秋津の日月神社(じつげつじんじゃ)の境内の近くにやって来た。そこで、空に浮かぶ雲を矢で射落とすよう家来に命じた。そんなことは出来ようはずもなく、家来の1人が、「とんぼが邪魔をして矢を射れません。」と言い訳をして、何とか殿様の機嫌を損ねないようにした。
すると殿様は、今度はとんぼを自分の歳と同じ数だけ捕まえて来いと家来に命じた。家来たちは、とんぼを取る道具も無ければ虫かごも持ってないので、悪戦苦闘する。しかし家来の1人が、ちょうど境内の裏で鳥もちでとんぼを取っている子供を見つけ、虫かごに入ったとんぼを譲ってもらった。ところが、とんぼの数は殿様の歳には1つ足りない。
家来の苦労をよそに昼寝をしている殿様を起こすと、家来たちは、とんぼを捕まえたものの、殿様の年齢の数には1つ足りない旨を伝えて土下座して謝った。しかし殿様の怒りは治まらず、とんぼが入った虫かごと手に取ると、こう言った。
「これ日月大明神よ、もしお前に神としての力があるなら、これからワシが投げ入れるとんぼを、別の木にしてご神木から生やして見せろ。それが出来ないのなら、この祠は取り壊してしまうぞ。しかし、もしそれが出来たら、ワシは二度と家来に無理難題は言わない。」
そう言うと、殿様はとんぼの入った虫かごを、ご神木の空ろ(うつろ)の中へ投げ入れてしまった。
すると、なんと不思議なことに、ご神木の空ろの中から榎木(えのき)が生えてきた。そしてそれ以降、殿様は口が聞けなくなり、本当に家来に無理難題が言えなくなってしまった。
今では、日月神社のご神木のケヤキは枯れてしまい、その枯れ木の空ろの中から生えた榎木だけが大きく育っているそうだ。
http://nihon.syoukoukai.com/modules/stories/index.php?lid=978
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気になる木。
高い所に手が届かない。
あとから考えれば。
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