ラッパ水仙とワーズワースの世界。

ここ富士見町や北杜市では、家々の庭や道沿いでラッパ水仙をよく見かけます。
わたくし的には香りのないラッパ水仙よりも、気高い
香りの白い小さな日本水仙のほうが大好きです。

水仙は毒があると知っている鹿が食べないので、玄関脇などに7、8年前に越前水仙の球根25個を植えたのですが、標高のせいか、あるいは気温の影響で時期が合わないのかわかりませんが、花は数輪程度で、やがて葉も出なくなりました。
また、萩の親せきからもらってきた株も、弱々しい葉がひょろひょろと伸びるだけで花まではとてもとても。
でもラッパ水仙はGREEN WALKにも元気に咲いてくれています。



1994年4月3日から1997年3月23日までフジテレビ系列局で放送された「ワーズワースの冒険」という番組がありました。
詳しくは憶えてないのですが、ただワーズワースの世界観がとても素敵で、どこかカッコよくて、当時、仕事仲間といつも話題になっていたことだけは憶えています。

ウィリアム・ワーズワースはイギリスの代表的なロマン派詩人で湖水地方をこよなく愛し、純朴でありながら情熱を秘めた自然讃美の詩を書きました。
「水仙」の詩もその1つ。
1802年4月、ワーズワースが妹とウルズウォーター湖のほとりを歩いていた際、湖畔に沿って帯のように一面に咲いていたラッパ水仙(ダフォディル)の美しさに感動して歌ったものだそうです。

ウィリアム・ワーズワースの詩「水仙」 The Daffodils (壺齋散人訳)

  谷間をただよう雲のように
  一人さまよい歩いていると
  思いもかけずひと群れの
  黄金に輝く水仙に出会った
  湖のかたわら 木々の根元に
  風に揺られて踊る花々

  銀河に輝く星々のように
  びっしりと並び咲いた花々は
  入り江の淵に沿って咲き広がり
  果てしもなく連なっていた
  一万もの花々が いっせいに首をもたげ
  陽気に踊り騒いでいた

  湖の波も劣らじと踊るが
  花々はいっそう喜びに満ちている
  こんな楽しい光景をみたら
  誰でもうれしくならずにいられない
  この飽きることのない眺めは
  どんな富にもかえがたく映る

  時折安楽椅子に腰を下ろし
  物思いに耽っていると
  脳裏にあのときの光景がよみがえる
  孤独の中の至福の眺め
  すると私の心は喜びに包まれ
  花々とともに踊りだすのだ
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水仙が泣いています。

伸びすぎた水仙。

幸せではなかった水仙。

水仙が震えるわけ。

香りの存在感。

 
1歩・2歩・散歩、明日も書こっ、と。

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