あなたは、だあれ?

春先、落ち葉をかぶった土の中から小さな小さな芽が顔をだします。
「あなたはだあれ?」。しゃがみこみ、いつもそう話しかけます。
ようやく出た芽は、4年も経てば何の芽か少しはわかるようになりましたが、中には雑草なのか、毎年の顔ぶれなのか、あまりに赤ちゃんすぎてわからないのもあります。それが、成長するにしたがって名前がわかってくると、ああ、今年もやっぱり芽を出してくれたんだとうれしくなります。
オトナになっても名前がはっきりしないのが、自生しているこの白い花。放っておくと一面に広がる繁殖力旺盛な花です。
ある人がアズマイチゲと教えてくれたので、ずっとアズマイチゲ、アズマイチゲと言っていたのですが、別の人はイチリンソウと。。。
「あなたは、いったい、だあれ?」。
図鑑で調べると、最も近いのがハクサンイチゲ。でも花芯のあたりがちょっと違うようでもあり、葉から花までの茎がちょっと長くも見えます。
長年、外国に住んでいる日本人の顔が、そこの国の人の顔に似てきたり、他人同士が結婚して長年一緒に暮らしていると、ふたりの顔がよく似てきたりする夫婦を見かけますが、それと同じかも。このハクサンイチゲだって、この八ヶ岳の住人の顔になっているのかもしれません。
だから、今日からはっきりさせましょう。「あなたは、アズマイチゲ」。




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