「高齢車」の思い。

昨日は私がチェロを担当しているアンサンブル・ドルチェの練習日でした。メンバーのお宅へ出かけようと、車にチェロを乗せて、エンジンをかけましたが、あれ? 何の反応もありません。どのランプもピクリともせず、全く点灯しようという意思さえ感じられません。えっ? 何故、作動しない?? ついに来たか、私は車の運転の仕方を忘れたかなと、順番を1つ1つ確認しながらエンジンをかけようとしますがやっぱりダメ。アルジはもう1台の車に乗って、ジャズコンサートへ出かけてしまっているので、やむなくフルート担当のメンバーに迎えに来てもらって出かけることができました。

さて、私の車は、1997年生まれ、来年20歳を迎える「高齢車」。ここまで長生きしてくれたのだから動かなくなるまでケアしようと覚悟を決めているのですが、アルジはもういい加減、廃車にしたらと、度々言っていました。

ガレージなし、1年中吹きっさらしで、おまけに高原といえども、夏の直射日光をもろに受け、冬は凍った地に停めたまま。2年前の1.5mもの積雪も経験した頑張り屋です。いつでもエンジンは一発でかかるタフな「高齢車」。

それに15年オーナーとしてエンブレムをもらったことだし、せっかくなので今度は20年のオーナー顕彰を目指しているところでした。今では、乗ることも少なくなったのですが、電車もない、バスもない、こんなところにいるとどこの家も1人1台でなければ、いざという時、身動きできず不便です。

1週間前にヘッドライトをヤナセで交換してもらったばかりで、甲府から順調に走って帰宅したのに、なぜ急に車が動かなくなったのか・・・。やっぱり・・・強いて言えば思い当たることがありました。

アルジは冬の積雪やアイスバーンにはやっぱり四輪駆動車でないと安全に走れない、必要だからと、先週、中古の四駆軽自動車を買ったばかりです。これが原因のように思えました。

「きっとベンツは、中古の軽がやって来れば、もう自分は用事がなくなったのねと悟ったか、あるいは私から何の一言もなかったと、裏切られた気分になり、怒って失望して危篤になったんじゃないかな。モノに魂が宿るって言うじゃない?」とツレアイが言うと、アルジはそんなバカなと一笑します。そして「軽を買ったと、ベンツに言ったの? 言ってないんだったらベンツだってわからないじゃないか」「ううん、高齢者が高齢車を思う以心伝心よ、長い付き合いだから」と、ツレアイ。

そして今日、SONY損保から派遣されたレッカー会社に診てもらうと、バッテリーが空っぽと言われました。4、5時間エンジンをかけっぱなしにしたあと、近くの整備工場へ持っていくと、充電できたからかバッテリーは問題ないということでした。何故バッテリーが空っぽになったのか、なんだかはっきりした原因もわからず、ちょっと狐につままれた気分です。2015年生まれの若い軽がやってきた時、歳をとったベンツはどんな思いで迎えるのでしょう。

 




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