この本の向こう側。

ずっと本棚で眠っていた「生き物の描き方」という定価2376円の本を、メルカリに1200円で出品して間もなく、「1000円で即決させていただけないでしょうか」というコメントが入りました。言われる通り値引きすれば、他の出品でもそういう値引き交渉が頻繁になるかもしれないと、面倒なので丁重にお断りしました。

それから1週間以上経って、昨夜、出品していた本のいくつかを値下げしたと同時に、この本を200円値引き交渉してきた人にも、念のため「1000円に値下げしたので、もしよろしければご検討ください」というコメントを出したら、早速購入してくれました。

私は購入のお礼に添えて「最初っからお値引きすれば良かったですね。失礼しました。」とコメント。

それに対してすぐ返信がありました。「子供が絵を描くのが好きで、お小遣いの中で毎月購入していることもあり、とても助かります。著者のサイン入りとのことですので大切に使わせていただきます。楽しみにしています。」と。

えっ!? 子供? この本は文章的に大人向けだったので、いったい子供さんっていくつだろう? このまま送って、もし内容が難しかったら申し訳ないと思い「余計なことかもしれませんが、この本、小さなお子さま向けではないですがよろしいでしょうか?」と私。

すると「小学生ながらも表紙にあるような絵を描きたいようで。先日も大人向けの恐竜の描き方の本を購入して、自由に描いて楽しんでいます。お気遣いいただきありがとうございます」とのことでした。

「それは将来が楽しみですね。安心しました、送らせていただきます。」と、私。

おたがいに相手のニックネームしか知らない取引ではあるけれど、1冊の本を通して、いいご家庭だなと、思いを馳せる出来事でした。

こちらは恥ずかしながら、ただ売れることだけを考えてメルカリに出品し、200円の値引きに応じないでいたのに、この本の向こう側には、小学生が自分のお小遣いで買ってくれるという想像してないドラマがあったことに、気づかされ、ほのかな胸キュンでした。

早速、今日、セブンイレブンから発送しました。喜んでくれるといいいなという思いも届きますように。

 




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