道。

爽やかな日曜日です。原村の八ヶ岳中央高原キリスト教会からの帰り道。車を停めたところまで森の小径を歩きました。この道は四季にわたっていつも素敵です。5月の森は若葉が鮮やかで、木陰で鳥が歌っています。木洩れ日ふりそそぐ途中には小川の清らかな水音が、耳を通り過ぎて行きます。天国へ行ったことはないけれど、まるで天国のようなところです。
前を老夫婦が歩いていました。お話したことはありませんが、教会でいつも見かけるご夫婦です。奥さまは右手に杖をつき、左手はご主人の右手にしっかりと握られています。お二人で自然を愛でるようにお話しながら、ゆっくりゆっくり歩いています。
「気持がいい道ですね。お先に」と、私は追い越して行きました。小川の写真を撮ったあと振り向いて「お写真、撮りましょうか」と声をかけました。
帰宅してその少し微笑んだおふたりの写真を観ていたら、なんだか泣けてきそうでした。私の亡くなった両親も、いつもふたり腕を組んで道を歩いていました。人生をこうしてふたりして歩いていったのだなと、愛おしい気持を思い出しました。
もう大きな道ではなくていい、私も素敵な人生の小径をふたりして歩いて行きたいと思いました。

明るい森の道の途中、癌と闘っている友人からの着信があったのに気づき電話しました。ショックから立ち直り、少し元気になったのよと、明るい声が聞けたのは何よりうれしいことでした。今日の森の小径にはいろんな人生が詰まっていた道でした。




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