びっくりポンの巣立ち。

朝10時半過ぎ、玄関を出たアルジが「巣箱が落っこってる」と声をあげました。行ってみるとヤマガラが巣作りしながらも、鳥の気配がないと言っていたあの青い巣箱が地面に落ちています。巣箱を起こすと、中でかすかに物音がします。生きてる!
中から雛が飛び出ししてもこまらないように、巣箱をかかえて浴室でそっと巣箱の扉を開けました。巣材の苔が中で動いてグチャグチャになっているようで、手を入れると暖かい柔らかな塊に触れました。するとモゾモゾと湧き出るように、雛ちゃんたちが私の手に乗って出てきました。
こんなに大きくなっていたのか。。。4羽の雛ちゃんたちは元気そうです。毛が生えそろって巣立ちもまもなくといったところ。1羽はあと1、2日かかりそうなおチビちゃんです。
玄関にいるアルジに写真!写真!と、スマホを持ってきてもらいましたが、スマホの撮影操作がわからないアルジに教えながら、ようやく写真を撮ってもらいました。

巣箱の巣材はものすごい量で、それを中に元どおりにするには時間もかかりそうなので、とりあえず手探りでなんとか寝床らしく整えていたら、もう1つ鳥らしきものに触りました。そう、1羽の雛ちゃんは死んでしまっていました。こんなに冷たくなっていたということは、巣箱が落ちたのは早朝だったのでしょう。
他の4羽は、さぞ、びっくりしたでしょうが、元気で良かった。急いで、4羽の雛ちゃんたちを巣箱に押し入れて、玄関へ出ると親鳥2羽が警戒声をあげて、私たちのそばをすり抜けます。雛から私たちの気をそらそうと捨て身の親心です。
アルジがハシゴをかけて、巣箱を玄関アプローチの上に、またかけ直したあと地面を見ると犯人がわかりました。黒い羽根が1枚落ちています。これが何よりの証拠。カラスです。カラスが巣箱を襲って落としたのです。
昨日も親ヤマガラが盛んに警戒の声をあげていたので行ってみると、カラスが前の林の中を横切っていました。このカラスが昨日からきっと狙っていたのです。

アルジが今度は巣箱が落ちないようにインパクトドライバーで止めつけていると、あろうことか、中から1羽の雛ちゃんが巣立ちしてしまいました。というか、びっくりして飛び出したという感じ。まだ飛べるまでちょっと早かった気がするのですが。なんとも災難続きで申し訳ないことです。
駐車場の砂利の上でじっとしていて危険なので、手で包んで草陰までお雛さまをお連れしました。親鳥も気づいているようで、雛に食べさせる餌をくちばしにくわえて、乱舞しながら大騒ぎしています。
私たちもこの場にいては悪いと、アルジは軽トラでJマートまで買い物に行き、ツレアイは家に引っ込みました。2階から様子を見ていると、親鳥たちは巣箱に残っている雛ちゃんたちに餌を運んでいるようです。

草陰にいる雛ちゃんはどうしているだろうと、30分ほどして見に行くと、同じ場所で余裕の毛づくろいしています。かわいい。写真を撮らせてもらいました。
アルジが12時ごろ帰宅した時も、同じ草陰にまだいました。お昼を食べたあと、雨がポツポツ落ちているので巣立ちした雛ちゃんをどうしようかと話して、1時前に見に行くと、草陰にも、その近くにももういませんでした。親といっしょに飛んでくれたのならいいなと、ひと安心。

同じ青い巣箱の下に、割れた卵が落ちていたのは5月3日のこと。あれから24日後の今日の事件。死んでしまった1羽を樹林葬して、今日のハプニングは終わりました。
ヤマガラの抱卵期間は14日前後。そして孵化から18日前後で巣立ちです。卵落下事件後も、ちゃんと子育てしていたのですね。6個の卵を産んで、1個は孵化せずに、1羽は巣立ちまであと少しというところで命をおとしたヤマガラ。その分、4羽の兄弟たちが無事にオトナになってくれることを願っています。

今日、G7伊勢志摩サミットを終えたアメリカのオバマ大統領が広島原爆資料館を訪れました。
かつて国連総会で、生まれ故郷のカタロニア民謡「鳥の歌」をチェロ演奏したパブロ・カザルスは「カタロニア地方の鳥は空を飛んでpeace,peace,peaceと鳴く」と言ったのは有名な話。カザルスはケネディ大統領夫妻に招待され、ホワイトハウスでも演奏しましたが、今回、その娘のキャロライン・アメリカ大使が、オバマ大統領を終始案内していた姿が印象に残っています。世界が平和を願っている。
GREEN WALKでも、鳥がいつも鳴いています。peace,peace,peaceと。


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