私の愛車のことはあまり触れませんでしたが、今日は最後なので記しておきます。
春へ向かって暖かくなったこの日、愛車とお別れしました。ちょうど20年もの付き合いでした。
高齢者の私と同じように高齢車です。歳が歳ですから、人間と同じようにシミもあります。富士見では強い紫外線や、冬は積雪、寒風に耐えた愛車です。それでも塗装の良さはさすがベンツ。パッと見はとても綺麗です。
富士見のガソリンスタンドでは手洗い洗車してくれる所がなく、止むを得ず町の洗車機で洗ったところ、フラッグポールやフェンダーミラーが破壊されもしました。かといって自分で洗うのもたまのこと。あまり構ってやることもありませんでした。
おまけにカラマツの枯れた針のような葉が、窓とパッキンの隙間やボンネットから入り込んだり、花粉がベットリついたり。かなり過酷な自然の中で、文句も言わず、安全に走ってくれました。そう、事故もなく、快走してくれてありがたいことです。
年に1度は、ヤナセへ点検に出していたので、引き取る時にはいつもワックスまでしてもらい、ピッカピカになって、うれしそう。まるで新車のようになって帰ってきました。
でも今日は最後なので感謝をこめて、私自身で水洗いしてやります。冬は水道管が凍結しないように元栓を閉め、水抜きしていましたが、一時的に開栓し、ホースで水をかけてやりました。まだまだ水道管の凍結はあるので、水抜きはしておきます。
亡くなった母と愛犬・樹林の3人で、週末は必ずドライブしたものです。
阿蘇山へ行った時は、ガス欠寸前でヒヤヒヤしながら麓まで降りて、ガソリンスタンドを探したこともありました。
萩へも年に3、4回はお墓参りにも行きました。
母はドライブが好きで、特に高速道路から遠くの景色を見るのが大好きでした。
樹林は車に乗るとすぐ運転席の私の膝に乗って外を眺めていましたが、しばらくするとリアシートに移り、気持ち良さそうに寝ていました。
いみじくも今日は樹林の命日です。6年前のこの日、行きは毛布に包んだ樹林をリアシートに乗せ、そして帰りは小さな壺の中で自宅へ帰ってきました。
最後に私とベンツの“2人”で富士見町の役場までドライブをした今日。エンジンはすこぶる快調、走っていても車内は静かです。
そして、友人の友人にもらわれていきます。でも運転してみた友人が言うには「さすがベンツ。もしかしたら僕が乗るかも」と。「心変わりしたら明日までに言って」とも。
たくさんの思い出を乗せて走ってくれた愛車との、私の20年。
メルセデスベンツ E230、福岡33も98XX。
夜のカラマツ林の角を曲がるまで、私は赤いテールランプに手を振っていました。
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