万両から一両まで。

東京に行った時、ホームセンターで赤い実がついた小さな鉢植えを見つけました。
ヤブコウジ。名前だけは聞いていたけど、これがヤブコウジかあ、と早速、買って帰りました。
落語の、和尚さんが子供につけた、あの長~い名前。「寿限無、寿限無、五劫の擦り切れ・・・」の中に入っている、あの藪柑子です。
和尚さんの解説によると「藪柑子という何とも丈夫な木があって、春は若葉を生じ、夏に花が咲き、秋に実を結び、冬は赤い色を添えて霜雪をしのぐというめでたい木じゃ」と。

赤い実の縁起物と、お正月によく生ける千両や万両は有名ですが、この藪柑子は十両といわれているのは初めて知りました。
十両があるなら百両もあるのではないかと、調べたらありました。おまけに自然の成り行きと申しましょうか、一両までちゃんとあったんですね。
千両はクササンゴと言われセンリョウ科。
万両はヤブタチバナでヤブコウジ科。千両より実が沢山つくことから万両と言われるとのこと。
同じヤブコウジ科の百両はカラタチバナ、十両がヤブコウジのことで、一両はアカネ科のアリドウシだそうです。アリドウシ? なんでも葉の付け根から出ているトゲが蟻をも刺し通すという意味とのこと。
ヤブコウジの小さな鉢植えから、赤い実の一から万まで知ることになろうとは。
滅多にしか起こり得ないことを万が一といいますが、赤い縁というのも万が一ほどに起こりべくして起こったもの。大切にしなければ、と思う今日でした。





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