奇跡的に行けた「奇跡のチェロ・アンサンブル」。

今日は軽井沢大賀ホールでの「奇跡のチェロアンサンブル2023」へ車で出かけました。
アルジのコロナ感染で行けるかどうか心配してましたが、人への感染リスク期間も過ぎたこと、またアルジ自身も全快し問題ないというので、8時半頃に出発。


ところが問題はそこから。軽井沢への1/3ほど行った海の口あたりで車のフロントパネルに4種類もの警告サインがでました。

プリウスアルファは11年、走行距離185,000kmという高齢車です。
まだまだ元気と思っていたのに、人知れず弱っていたのかも。マニュアルを見るとどうやらハイブリッド関係、ブレーキ関係の警告です。


それから保険会社に連絡したり、レッカー車が来るのを待つやら1時間ほどかかった挙句、最寄りの小海線海の口駅までレッカー車に積載されたプリウスアルファに私たちも載って、送ってもらいました。
整備をしてもらうトヨタはお盆休みで1週間休業。
それまで車は待機するので、手前のびっくり市で買物していた桃や梨、トウモロコシやレタスは腐ってしまうため保冷バックのままセブンイレブンから宅急便で自宅まで送ってもらうことにしました。

この海ノ口駅から電車を乗り継いで軽井沢まで行くつもりでしたが、時刻表を見ると次の電車は14時38分とか。コンサートは15時開演なのに!
日曜、休日や昼間は特に電車の数はグッと減るそうで、他の交通手段もありません。
タクシー会社2社に電話をしたら軽井沢までは次の乗客の予約時間に間に合わないとか、空車がないとかで断られます。

お昼になりました。
喫茶店で店主のママさんも心配して、軽井沢へ行く電車とか、佐久平までタクシーで行って新幹線に乗り換える方法とかを教えてくれたりしてました。

でもアルジは、手段はないし仕方ないからもうコンサートは諦めて電車で帰宅しないかと言います。
全快して健康上は問題ないと言ってたアルジでしたが、面倒くさいのも手伝って疲れたと言うので、「そうね、仕方ないね、帰ろう」と私。

ママさんと3人のそういうやりとりを聞いていたのでしょう、喫茶店のお客さんが「僕が佐久平まで車で送ってあげますよ、どうせ群馬へ帰る途中ですから」という天の声にびっくり!

その方の連れは車椅子に乗ったおばあさん。
あとで聞いたら99歳で、認知症でもう話は通じないことが多いけど、休みのたびにおばあちゃんを車に乗せてドライブに行っているという孝行孫でした。

頭を撫でたり、口を拭いてあげたりしていたので、私はてっきり介護施設の入居者の付き添いスタッフかと思っていました。
両親が共働きだったため、おばあちゃんっ子で子供のころからおばあちゃんにお世話になったからと。
何という感心な孫。歳は30代でしょうか。
そんな心優しい男性だから、私たちの窮地に声をかけてくださったんですね。

私たちはそのご好意にありがたく甘えることにしました。
その好青年は、佐久平までと言ってたのに、ついでだから、軽井沢まで行きましょうと言いながら、渋滞を避けた道を選んで、なんとご親切に大賀ホールに横付けしてくれたのです。開演時間の50分前でした。

車中、いろんなお話をしましたが、こういう出会いに遭遇すると、私は神さまの意図を感じます。



一時は諦めた大賀ホールでのコンサートでしたが、その好青年のおかげで素晴らしい時間を持つことができました。


若手実力派チェリスト 辻本玲さん、横坂源さん、伊藤悠貴さん、小林幸太郎さん、岡本侑也さん、上野通明さんのチェロ6重奏、ブラボー!
最初の曲目、クレンゲル「讃歌」の始まりは、そっと小さな美しい音から始まって、そんな音を弾けない私は一瞬で感動しました。


そして、ホッパー「ハンガリー狂詩曲」、グリーグの組曲「ホルベアの時代から」、サン・サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」、休憩を挟んでビアソラ「ブエノスアイレスの四季/夏・秋・冬・春」とアンコール2曲。
小林幸太郎さん編曲のすばらしさもあって、世界で活躍する若きソリスト6人が、1人1人のパートを弾くハーモニーは繊細で美しく、力強く、贅沢な演奏です。

私が言うのもおこがましいですが、重鎮のチェリストにはないエネルギッシュな若い人たちの演奏は感動的で魅了されます。
音楽演奏において格別な技巧や能力によって名人、達人の域に達した人物を指す演奏家を
イタリア語でヴィルトゥオーソ(virtuoso)と言うそうで、若くして研鑽を積んでいる、まさに彼らのことでした。

思いがけない車の故障はあったものの、親切な青年のおかげで、この素晴らしい演奏を聴けたのは幸運でした。



聴衆の中に富士見方面の知り合いがいたらな、いたら帰りも便乗させてもらえるのにと密かに期待しましたが、さすがに神さまはそこまで面倒をみてくださいませんでした。
帰りは、軽井沢駅から佐久平まで10分の新幹線。佐久平から小海線に乗り換えて小淵沢まで普通電車で約2時間。小淵沢からタクシーで無事帰宅できました。

アクシデントはあったとはいえ、そのおかげでいい人に出会い、またそのおかげでいい演奏を聴くことができて、悪いことばかりじゃない、人生はこんな巡り合わせなんだなあと思いながら、感動が重なった心地よい疲れの1日でした。

 

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